父を偲んで夕焼け空のかけらを。
闘病中のある日、病室の窓から夕焼け空が見えた。 「空が綺麗だよ」と言ってみたが、寝そべる父からは見えていないらしく車椅子で外まで少し連れ出した。 久しぶりの外の空気に「爽やかだなぁ」と呟いた。 建設予定の工事のおかげで建物は無く景色が開け、そこに美しい夕焼けがあった。 だけどもあまり遠くは見えていなかったらしい。病の影響で目もだいぶ悪くなっていた。
夕焼けの空を切り取って 父の手元に置いてあげたかった。