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2026

Like a stone, like water./石のように、水のように。

“Like a stone, like water.”
アクリル、麻 size:W440*D340*H250mm

霊力が宿るよう、願いを込めて麻縄で結び、「石のように水のように」揺るぎない心と、柔軟な思考を与えてくれる御神体を作りました。

水は形を持たず、常に周囲の状況に応じて姿を変える。掴もうとした瞬間に指の隙間から逃れ、見る角度や光によって表情を変え続ける存在である。日本において水は、象徴として語られる以前に、知覚や環境そのものを変質させる現象として受け取られてきた。

俵藤ひでと は、その水の性質を、アクリルという人工素材によって扱う。アクリルは本来、硬質で透明、安定した物質である。しかし俵藤の手によって加工されたアクリルは、固定された形や明確な像を示すことを避け、水のように揺らぎ、にじみ、視線を滑らせる存在へと変化していく。

そこにあるのは水の再現ではない。光を屈折させ、奥行きを歪め、内部と外部の境界を曖昧にする構造そのものが、水がもたらす感覚を呼び起こす。鑑賞者は作品を「見る」というよりも、透明な層の中を視線が漂う体験へと導かれる。

俵藤のアクリル作品は、自然を模倣するためのフェイクではない。むしろ、人工素材であるからこそ、水が持つ掴めなさや不確かさを極限まで抽出し、知覚のレベルで提示する試みである。そこでは素材の人工性と、水という自然現象が拮抗し、どちらにも回収されない緊張した状態が保たれている。

水が常に形を定めず、環境との関係性の中でのみ成立するように、俵藤ひでとの作品もまた、固定された意味を拒み、鑑賞者の感覚の中で流動的に立ち上がる。その揺らぎこそが、この作品群の核であり、水というテーマがアクリルを通して現代的に更新された姿なのである。